今日はトキ・アートスペースの「NEEDS(need・need・need)」展に行きました。
沖田貴志さん、茂井健司さん、松木恵次さん3人の展覧会です。
http://homepage2.nifty.com/tokiart/060227.html

手前の展示スペースの壁には、このコラボレーションワークにあたっての3人のメールでのやりとりがプリントアウトされ、時系列にそって並べられています。奥の展示室には鏡のインスタレーション。展示室中央に、やや開かれた形の3面鏡が3枚、背中合わせに柱状に組まれたものと、部屋の角を取るよう4隅に一枚づつ3面鏡が。どれもただの一枚鏡ではなく、小さな鏡の集合体だったり、一枚鏡の上に小さな鏡の切片をぎっしり散りばめたものであったり。キラキラして、とても美しい。光だけでできた作品。でも、本当は光だけではなくて、鏡に映り込んでいる自分や、誰かの記憶みたいなものも空間に反射して、こだまして、いつまでも佇んでいたくなる空間でした。(端の処理が甘いのは気になったけど・・。)


オブジェクトとしての作品だけでなく、作家同士の生の声のやりとりを「作品の一部」として発表することについて、本人たちにもきっと戸惑いがあったと思うのだけれど、私は、そこにとても丁寧な作業を感じました。
というのも、沖田さんが闘病中で、オブジェクトの制作には関われなかったとのこと。
でも、作品って、物質化されたものだけではなく・・。


他者と向かい合うこと、アートと向かい合うこと、アートの目で世界と向かい合うこと・・。
そこを丁寧に慈しむ生き方を、きちんとアーティストが提示するということ。地道に自分の制作を続けている作家が、驕らずに、下手にでることもせずに、真摯な気持ちをまるごとこちらに投げてくるということで、自分自身を問い直し、次へ進もうとしている・・、


ということで、素敵な展覧会でした。